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元RE開発者松浦國夫さん、レーシングエンジンを語る

レース用ロータリーエンジン開発の第一人者である元マツダRE実験部松浦國夫さんが、11月28日に広島県安佐南区にある広島交通科学館にて講演を行った。「レース用ロータリーエンジン開発者 松浦國夫氏の話を聞こう」と題されたこの講演は10月にも行われており、今回が二度目となった。今回は初回より多くのオーディエンスを集め、講演内容もさらに充実したものとなった。

講演は、モータースポーツの最前線で多くの経験を経た松浦さんだからこそ知るストーリーも数多く語られた。1978年のデイトナ24時間耐久レース(アメリカ・フロリダ州)にRX-3で出場した際、レース中にエンジンを交換しなくてはならなくなったエピソードと写真を公開。「開発者としては恥ずかしいことだが、今だから話せる」と、その苦しかった心境を語った。しかし、こうした苦労したレースの後には必ず反省会が開かれ、レースに携わったエンジニア達から改善するためのアイディアが数々出されたようだ。1991年のルマン24時間レース総合優勝も例外ではない。「前年の反省を基に、各担当から合計250項目以上もの改善案が出され、一人一人が問題を解決しました。これが翌年の優勝に繋がった」と、松浦氏は懐かしそうに語っていた。

講演の最後には、「24時間を走りきるにはどんなことが必要ですか」や、「ルマンではどんなものを食べてレースを戦うのですか」、などと言った質問が出るなど、盛り上がりを見せた。松浦さんは、「こういったイベントを通じて、マツダ車を応援することができれば嬉しい」と語った。

2010.11.29
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