マツダ元RE開発者 松浦國夫氏、講演でモータースポーツを語る
広島県安佐南区にある広島交通科学館において、去る10月24日(日)にマツダのロータリーエンジン開発に貢献した同社OBの松浦國夫氏が講演を行った。
同館では現在、「エンジン展 〜栄光のレースエンジン〜」行われており、1991年に日本車初のル・マン24時間レース優勝を遂げたMAZDA 787Bに搭載されている4ローターのR26Bエンジンやそのたのレース用エンジン、コスモスポーツ(マラソン・デ・ラ・ルート仕様)、RX-500などが展示されている。
このイベントの一環として松浦氏の講演会は開催された。松浦氏は1964年に東洋工業RE研究部に配属となり、翌年から世界初のレース用ロータリーエンジンの研究開発に着手した第一人者である。また、1991年のル・マンではテクニカルディレクターとしてシャシーを含めたマシン全体の開発を指揮し、MAZDA 787Bを総合優勝へと導いた。
講演は松浦さんとロータリーの出会いに始まり、レース参戦開始から進化の過程、そしてル・マン参戦の歴史など多岐に及んだ。中には「隣のピットからハンマーが飛んでくるほどうるさく、サイレンサーの開発に苦労した」や「初めてのアメリカのレースでは環境とルールに翻弄された」と言った苦労話も飛び出した。訪れた観客の皆さんも世界で様々なレースを戦ってきた松浦さんの話に聞き入っていた。
「レースで勝つための技術は自動車の進化に貢献する。ル・マンは新技術に門戸が広く、ハイブリッドや水素ロータリーなどの登場・進化に期待している」と未来への期待を示し、講演は終了した。
松浦さんの講演は来月にもう一度行われる。さらに、ロータリーエンジン分解組立てショーも下記日程で開催予定である。
【イベントの日程】
松浦國夫氏の話を聞こう! 11月28日(日) 13:30〜14:30
ロータリーエンジン分解組立てショー 11月6日(土)、7日(日) 13:30から(1時間30分)
2010.9.27
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