マツダ株式会社在職時、ロータリーエンジン開発とFD3S型RX-7の担当主査を務められ、REエンジンへの深い知識と経験を持つ小早川隆治氏に書評を頂いた。
マツダがロータリーエンジンの開発に着手して50年が経過した。幾多の技術的困難を克服しながら初めての生産車として1967年に導入されたのがコスモスポーツで、その後も積極的な技術開発を継続しながら数多くの車種に搭載、累計生産台数は約200万台に近い。マツダにおけるロータリーエンジン開発はルマンへの挑戦同様「飽くなき挑戦」の歴史であり、その延長線上にある「スカイアクティブ技術」の今後の市場への定着と発展にも大きな期待を寄せたい。
このたび三樹書房から発刊された当摩節夫氏執筆の『ロータリーエンジン車』(マツダを中心としたロータリーエンジン搭載モデルの系譜)には、フェリックス・バンケル博士による発明から、各メーカーにおける対応、今日のマツダのロータリーエンジン車に至る半世紀を超える歴史が描かれており、マツダでロータリーエンジン、RX-7の開発に携わってきた私にとっても大変興味深い内容だ。
NSUスパイダーやRo80に始まり、シトロエンGSビロトール、発売されなかった各メーカーのロータリーエンジン車、ニッサン、トヨタのロータリーエンジン、スズキ、ヤマハのモーターサイクル、そして全てのマツダロータリーエンジン車などがカラーカタログで詳細に網羅されているのは、50年以上にわたり国内外の自動車カタログや写真を収集されてきた当摩氏ならではのものだ。
当摩節夫氏はプリンス自動車、日産自動車、カルソニックで技術、経営指導などの領域で要職を歴任、退職後は「モーターファン別冊すべてシリーズ」、「スーパーCG」などに自動車史を多数寄稿されるとともに、『プリンス 日本自動車史に偉大な足跡を残したメーカー』、『三菱自動車 航空技術者たちが基礎を築いたメーカー』などを出版、今回の『ロータリーエンジン車』の出版は新しい1ページをつけ加えるものだ。
MZRacingストア (http://store.mzracing.jp/)にて好評発売中
「ロータリーエンジン車」を購入頂いた先着15名の方に下記写真に小早川隆治氏の直筆サインを入れたフォトフレームをプレゼントいたします。発表は商品の発送を持って代えさせて頂きます。
小早川隆治
1963年に東洋工業入社後、ロータリーエンジン開発、米国駐在、海外広報、RX-7/モータースポーツ担当主査、広報/デザイン本部長、北米マツダ副社長などを経験、2001年退職後はモータージャーナリストに転身。2004年から4年間米国ロード&トラック誌コントリビューティングエディター、現在三樹書房「車評オンライン」に毎月執筆中
|